洗足式・聖餐制定聖餐式

今年は4月1日がイースター(復活日)に当たっており、イースター前の今週は聖週 (Holy Week) と呼ばれます。そして聖週の木・金・土には、それぞれ一年に一度の特別な礼拝が行われます。

聖週の木曜日は英語でMaundy Thursdayと呼ばれます。Maundyというのはラテン語のmandatum (命令・掟)から派生した言葉で、この木曜日はイエス・キリストが「互いに愛し合え」という新しい掟を与えた日として記念されます。

この日の礼拝では文字通り、互いに足を洗い、そしてイエス・キリストが聖餐(ミサ、ユーカリスト、主の晩餐などとも呼ばれます)を制定されたことを祝います。

「洗足」に関しては、極めて興味深い点があります。聖公会を含め、プロテスタントの諸教会では、サクラメント(聖礼典)は主イエスご自身が「これをせよ」と命じた洗礼と聖餐の二つとしています。

ところが、ヨハネ福音書13:14-15でイエス様は、「ところで、主であり、師であるわたしがあなたがたの足を洗ったのだから、あなたがたも互いに足を洗い合わなければならない。わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと、模範を示したのである」と言って、これを「するように」と明確に命じいるにもかかわらず、「洗足」はサクラメントになりませんでした。

ちなみにアナバプティスト、あるいはメノナイトの会衆では、聖餐の前に洗足を行います。本来、「主の晩餐」と「洗足」とは一つの全体を構成していたはずで、「洗足」を切り捨てた「聖餐の神学」の発展には、重大な何かが欠けているのではないでしょうか。