イエスの御名を取り戻す

 

2018年の5月、トランプ政治によって頂点に達した、アメリカ政治における虚偽説明の常態化、アメリカ中心主義、白人至上主義という危機の中で、アメリカの様々な教団教派のリーダーたちが立ち上がり、「イエスの御名を取り戻す」という声明を発表しました。

アメリカ政治に巣食う病は、そのままこの国の政治に巣食う病でもあります。

以下の文章は、アメリカの教会指導者たちが発表した、’Reclaiming Jesus’ と題されたビデオ声明の全訳です。

————————————————————ここから————————————————————

全国の様々な教派、人種、ジェンダーに属する教会指導者として、私たちは、危険で二極化する時代を目の当たりにしています。

また私たちは、国の魂が、信仰の良心が危機に晒されていると見ています。私たちの国の指導者たちはイエスの御名を悪用してきました。

ですから私たちはこの宣言を掲げイエスの御名を取り戻そうとしているのです。

教会の指導者とし、謙虚に愛をもって真理を語ることは、私たちの義務です。

しかし政治が私たちの神学を歪めるとき、私たちはその政治を検証しなくてはなりません。

それ故、私たちは信じます。私たちは信じます。私たちは信じます。人は皆、神のかたちに、神の似姿に造られており、人種に基づく差別意識は、神のかたちに対する野蛮な攻撃であると。

それ故、私たちは、政治中枢で指導的立場にある者たちも含めて、多くの場面で息を吹き返している白人民族主義と人種差別を拒否します。

また私たちは、私たちを分断する道具として人種を用いるいかなる教義も、政治的戦略も拒否します。

私たちは、私たちが一つの体であることを信じます。キリストの内に、人種、ジェンダー、アイデンティティー、あるいは階級に基づくいかなる抑圧もあってはなりません。

それ故、私たちは、私たちの国においても、教会においても、女性蔑視、女性に対する嫌がらせ、攻撃、そして虐待を、またこの罪を永続化する沈黙を拒否します。

私たちは信じます。私たちが貧しい者、外国人、病者、囚人をどう扱うかは、キリストご自身をどう扱うかということなのだと。

それ故、社会的にもっとも弱い立場に置かれた神の子どもたちを放棄する諸政策を、私たちは退けます。

私たちは、移民と難民に対して増え続ける攻撃を嘆き悲しみます。

私たちは、低所得家庭とその子どもたちを無視することを受け入れません。

私たちは、真理が私たちの人生における道徳的中心であると信じます。

イエスは、真理は私たちを自由にすると約束されました。

それ故、私たちは、私たちの政治生活と市民生活を乗っ取ったすべての嘘を退けます。

嘘の常態化は、公共社会に対する深刻な道徳的危険をもたらします。

私たちは、キリストのリーダーシップは仕えることにあり、支配することではないと信じます。

それ故、私たちは、民主主義と共通善を脅かす、独裁政治的リーダーシップに向かういかなる動きも、権威主義的統治も拒否します。

私たちは、すべての国民の中に入って行って弟子を作りなさいと私たちに言われるイエスを信じます。

私たちの教会は国際的共同体の一部なのですから、そのすべての住人を愛し、仕えるべきであり、一つの国が他の国々に優越することをまず求めるということがあってはなりません。

それ故、私たちは、「アメリカ第一」哲学を、神学的異端として退けます。

私たちは、私たちの国に対する祖国愛を共有していますが、私たちの国を他の国々の上に置く、外国人嫌悪や特定人種に結びつく民族主義を退けます。

2千年前、イエスは主ですと告白することは危険な政治的行動でした。

なぜなら、もしイエスが主であるなら、皇帝は主ではないからです。

2千年後、私たちはイエスの御名を—彼の聖く力強い御名を、自分たちの利益のためにそれを悪用し、振りかざす者たちから—取り戻そうとしています。

イエスは闇の中に輝く私たちの光です。

このような道徳的危機の瞬間こそ、信仰を新たに告白する時です。

私たちと一緒に、あなたも、イエスの御名を取り戻しませんか?