公祷休止継続のお知らせ

3月21日(日)、フランシスコ・ザビエル高橋宏幸東京教区主教から教役者に宛ててメールが届きました。そこには大変悩んだ末、公祷休止を継続することを決断したことが綴られていました。


公祷休止延長の判断に至った理由は、3月18日のモニタリング会議の発表で、「東京都の医療提供体制の警戒レベル」が「4」のまま留めおかれたこと、さらに、前週より感染状況が深刻化しているとの懸念が専門家から表明されていたことです。今後の公祷再開判断については、次の2点が目安として挙げられています。

  1. 東京都の医療提供体制の警戒レベルが「3」になる迄を目安に礼拝・公祷(会衆参加の礼拝・公祷)の休止を継続。
  2. 3月25日のモニタリング会議の発表内容を見、これまでの変移状況を参考にしつつ暫く(二週間程度)観察の上、その後の方向性を打ち出す。

昨年に続き、今年も共に集まって、イースターの礼拝を献げることができなくなったことは、本当に残念です。

しかし、世界はポストコロナに向けて着々と動いています。中国、シンガポール、台湾、ニュージーランドなどは、ゼロ・コロナ方針を掲げて検査体制を整え、感染者の早期発見、隔離、治療を徹底する事で感染拡大の抑え込みに成功しています。そして、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカといった製薬会社は、驚くべきスピードで新型コロナウイルスのワクチン開発に成功し、すでに世界で接種が始まっています。

新型コロナのリスクを過小評価した結果、感染爆発を起こし、一時は医療崩壊の直前までいった英国は、3月21日の時点ですでに国民の53.2%が初回のワクチン接種を終えました。一人が生み出す二次感染者数を示す指標(R)は0.6-0.9となり、新規感染者数は毎日6%から3%ずつ着実に減少し、すでに出口が見え始めています。世界最多の感染者数と死亡者数を記録しているアメリカでも、1日200万から300万人に対してワクチン接種が行われ、過去2週間の新規感染者数は22%減少しています。これは、ワクチン接種と適切な感染防止策(マスク、密集回避、社会的距離の確保)の組み合わせによって、新型コロナを制圧する道筋が見えてきたということです。

日本は世界の感染防止対策の常識から逸脱し、周回遅れと言える状況ですが、無症状感染者の発見と隔離をしなければ新型コロナの感染拡大を止めることができないこと、陽性率の高い地域で無症状者に対するPCR検査を行わなければならないことが、渋々認められ始めました。そして、医療従事者と高齢者に対するワクチン接種も、遅ればせながら始まりました。私たちは、世界は、確実に、コロナ後に向かって歩みを進めています。

イースターを共に祝えないことは、「イエス・キリストがまだ墓から出てこない」かのように感じられるかもしれません。しかし主は墓の中にはおられません。彼は死から甦り、コロナ禍の中で苦しむ私たちと、今日も共におられます。

皆さん、イースターの朝、ぜひ聖書を開いてみてください。そして、4つの福音書の復活の物語を味わい、「あなたがたに平和があるように」と語りかける、復活の主の声を聞いてください。

2021年3月24日(水)

聖マーガレット教会牧師

ヨハネ塚田重太郎