4月26日 中学校礼拝 説教

4月26日 中学校礼拝 説教 ルカ 24:13-35

The way you see the world is connected to the way you live in it.
I hope you all will meet the risen Christ at this school and learn how to see the world in relation to the loving creator.

今朝読まれたのは、エルサレムから約60スタディオン、徒歩で約2時間のエマオという村に向かって歩いている「二人の弟子」に、復活のイエス・キリストが現れる物語です。

この物語を非常に謎めいたものにしているのは、二人の前に復活のキリストが現れたのに、それがイエス様だと気づかないことです。

「自分たちが話題にしている人が目の前に現れたのに、それに気づかないなんてことがある?」、そう思ったとしても当然です。
 
ルカ福音書のこの物語は、人々が人生という旅の途上で、どのように復活のキリストに出会うのか、またどこにイエス・キリストは現れるのかを語ろうとしています。

「復活のキリストを見る」とか、「神を見る」というのは、黒板の字が見えるとか、パソコンの画面が見えるというのとは違う次元の話です。
 
今日、この物語を手がかりに皆さんにお話ししたいことは、「私たちが世界をどう見るかは、あらかじめ固定されているわけではない」ということです。
 
世界をどう見るか、世界の中に何が見えるかは、「どのように見るか」を、「どのように学ぶか」によって、決定的に変わるのです。
 
例えば、生まれながらに重い病気や障害をもった子が生まれた時、私はその病気や障害を、 genetics に関わる問題、遺伝学上の問題として見ます。

けれども、今でも現実に、多くの日本人が、遺伝的障害や病を、先祖の祟りや呪いとして見るのです。

私の知人の一人が結婚して、相手の女性との間に子どもが生まれました。しかしその子は生まれながらに目が見えず、耳も聞こえませんでした。母親の女性は、夫の男性にこう迫りました。「私の家系に犯罪者はいない。この子がこんな風に生まれたのは、あなたの先祖のせいよ。私と縁を切るか、あなたの両親と縁を切るか、どちらかを選んで。」

皆さんは、この宇宙が約137億年前にBig Bangと呼ばれる巨大なエネルギーの爆発的膨張によって始まって、今も膨張を続けていることを知っているでしょう。

皆さんが学校の理科や物理の時間に学ぶ、宇宙進化の物語は Standard Modelと呼ばれるもので、その大部分は、アインシュタインの一般相対性理論という土台の上に立てられています。

ところが、アインシュタインは長い間、宇宙が膨張していると認めることを拒否していました。

1922年にロシア人の物理学者、Alexander Friedmanが、1927年にはベルギー人のローマ・カトリック司祭で理論物理学者であったGeorges Lemaîtreが、アイシュタイン自身の理論によって、宇宙が膨張していることを説明できると主張しました。

ところがアインシュタインは、宇宙が膨張しているという説を認めることに、最後の最後まで消極的でした。彼が同時代の科学者たちから遅れに遅れて、渋々、宇宙が膨張していると認めたのは、1932年のことでした。

あなたが世界をどう見るかは、あなたが世界の中でどのように生きるかと繋がっています。あなたが世界をどう見るかによって、あなたが世界でどう生きるかが変わるのです。

この学校で学ぶときが、復活のキリストに出会い、神との関係の中で世界を見ることを学ぶときとなりますように。