
ペトロの手紙一 3:8-9
クリスマス前のこの時期に、テストという苦難に直面している皆さんに、心から同情いたします。
あまり大きな声では言えませんが、皆さんが何かを学ぶということにおいて、テストそのものはほとんど何の役にも立ちません。つまり、テストを通して学ぶことは、ほとんど何もないということです。
試験というのは、発見と、新しいことを知ることの喜びに満ちた「学び」の中に、度々現れる「悪」です。
私が最後に経験した試験という「悪」は、2017年1月16日に受けたvivaです。Vivaというのは、博士論文の提出後に待ち受ける口頭試験のことです。
私にとっては、1万ワードの論文を書く作業そのものは、大変ではあっても、苦痛ではありませんでした。むしろ、学びたいことを学び、やりたいことをやれる、喜びの時でした。
ちなみに1万ワードというのは、200ページくらいの英語の本1冊分にあたります。
しかし、論文提出後にやってくるvivaは、お世辞にも楽しいときとは言えないものでした。
学内から一人の教授、学外からもう一人の教授が試験官として選ばれ、論文の内容について様々な質問を受けます。執筆者は、試験管からの質問に答えて、自分の書いた論文が evidence に基づく、首尾一貫した主張であることを証明することが求められます。
この口頭試問は、時には7, 8時間に及ぶこともあります。口頭での試問が終わった後、30分ほど別室で待たされた後、再び試験官の前に呼び出されます。そこで論文の書き直しか、論文の主張に影響しない少数の修正を加えての合格か、修正無しでの合格かを告げられます。
私は、少数の修正を加えての合格でした。
今朝、私が皆さんに言いたいことは、「試験のために学ばないでください」ということです。
試験が嫌いだからといって、学ぶことを諦めないでください。試験という悪に対して、学びを放棄するという悪で報いないでください。
試験が嫌いなのは当たり前です。試験が好きな人など、どこにもいません。
しかし、本当の学びは、驚きと喜びに満ちています。そして、試験の準備ではない、喜びと驚きを伴う学びこそが、あなたの知恵となり、あなた自身を作り上げることになります。
喜びと驚きを伴う本当の学びが、皆さんの祝福となり、皆さんが出会う人たちの祝福ともなるよう祈ります。
