聖霊降臨後第4主日 説教

2025年7月6日(日)聖霊降臨後第4主日

イザヤ書 66:10-14; ガラテヤ6:7-16; ルカ10:1-11,16-20

 「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」

 小学校の頃、母親に無理やり行かされていた日曜学校でもよく聞いた、そして、よく覚えている、イエス様の言葉の一つです。

 でも、私は日曜学校でこの言葉を聞く度に、「嘘だ」と心の中で呟いていました。

 私の通っていた小学校は、昨年、創立150周年を迎えた古い学校なんですが、敷地も校庭も本当に狭くて、団塊ジュニア世代の私たちの学年は、校舎から溢れ出してしまいました。

 そのため、確か、小学校2年生の時に、校舎の拡張工事が始まり、しばらくプレハブ校舎生活になりました。

 けれども、日曜日に教会に行くと、日曜学校に同世代の子どもは、片手で数えられるほどしかいませんでした。

 ですから、「収穫は多いが、働き手が少ない」と聞く度に、「いやいや、全然収穫少ないじゃないか」と思っていました。

 その後、高校1年生で洗礼を受けてクリスチャンとなり、更に時が流れて教会で働くようになってからも、「収穫は多いが、働き手が少ない」という言葉と、空席が増え続け、衰退の一途を辿る日本の教会の現実とのギャップに、なんとも言えないやるせなさを感じてきました。

 しかし今は、「収穫は多いが、働き手が少ない」というイエス様の言葉に、「その通りだ!収穫は多いんだ!」と、心から思っています。

 イエス様は72人の弟子たちを遣わすにあたって、すでに作物が豊かに実り、収穫されるのを待っているんだと言います。

 物語の流れに沿って言えば、弟子たちが遣わされていく先の村や町の人々は、まだイエス様の福音を聞いていません。

 そうすると、収穫されるのを待っている人々は、イエス様の言葉を聞いて信じた人たちではありません。

 イエス様によって神の国の福音が語られる前に、すでに、刈り入れられるのを待っている、収穫されるのを待っている人たちがいるんです。

 イエス様が神の国の福音を語る前から、収穫されるのを待っている多くの人たちとは誰でしょうか。どんな人たちなんでしょうか。

 それは6節に出てくる「平和の子」です。イエス様は「平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻って来る」と言います。

 イエス様は、すべての人が「平和の子」ではないことを知っています。世界には常に、平和を破壊する人がおり、戦争で儲ける人がいます。

 戦争は金がかかります。ですから、戦争が起きれば、軍需産業が巨大な利益を上げます。巨大な軍需産業を抱える国は、戦争を必要とします。

 けれども、その何十倍、何百倍もの、平和を愛する人々がいます。収穫を待っているのは、この平和を愛する人々です。

 戦争が拡大を続けている、今、この時代にも、収穫を待っている平和の子たちがいます。

 世界中の都市で、毎週末、多くの人々が平和を求めて立ち上がり、街に繰り出し、戦争の終結を求めて声を上げています。

 イエス様が言われる通り、収穫を待つ平和の子が沢山いるんです。

 イエス様が宣べ伝えた神の国の福音は、平和を作る新しい生き方です。

 神の国の平和は、ローマの軍隊が支える「ローマの平和」(Pax Romana)とは違います。

 イエス様が語る神の国の平和は、人々を癒すことによって生まれる平和です。

 平和を作る働きを支えたい、自分もその働きに加わりたいと思っている人が、文字通り、「どこにでも」、そして沢山います。

 先週の木曜日、久しぶりに「花水木の会」が行われました。午前中は、毎月第2月曜日に行われている「牧師と茶っと!」の番外編で、参加者の方からの質問に私が答える形でお話をしました。

 昼食を一緒に頂いて、午後からは聖堂に移って、美しい音楽に耳を傾けました。

 この「花水木の会」の中には、平和の子たちを収穫するためのヒントが、沢山ありました。

 実は、花水木の会に参加してくださった方たちの中には、共に喜び、共に楽しみ、共に癒される活動に関わっている人が沢山います。

 定期的に集まってお茶を飲みながら編み物をしたり、週に一度仲間と麻雀をしたり、大人食堂に関わったり。その他にも、いろんな活動をしている人がいます。

 一緒に料理をして食べることであれ、共に集まって歌うことであれ、共に喜びを感じ、共に癒されるような営みの全てが、平和の子を収穫する、宣教の機会となり得ます。

 孤独を癒し、悲しみを癒し、空腹を癒すことは、「平和を作る」ことです。

 皆さん、喜びを感じることを、自分が癒しを感じることを、ぜひ、教会で、共に集まってやってください。そして、その「輪」を閉じずに、広げてください。

そこにはイエス様が共にいてくだり、平和の子が集められます。そして、そこに、大きな収穫があります。